2023-ひみつの手紙-解説
コンテスト時の問題文中には,開いている手紙に書かれた数の合計に関する情報が,スパイが手紙を1通開ける前の状態のみが含まれており,スパイが手紙を1通開けた後の状態が記載されていませんでした。
そのため,十分な情報がないため,開けられた手紙を特定することはできない状態での出題となっていました。
参加された皆さまには,ご迷惑をおかけして大変申し訳ありませんでした。
今後は,このようなことがないように再発防止に努めます。
なお,現在掲載している問題は,スパイが手紙を1通開けた後の状態を追記しております。
- 考案国:フィリピン
- 正解
- 13
- 説明
- 偶数に偶数を加えても偶数のままです。合計が偶数から奇数に変化している場所があるので,スパイが開けた手紙に書かれている数は奇数です。
- まず,列(たての並び)に注目します:
- C2列とC4列の開いている手紙に書かれている数の合計は偶数であり,これは警備員の記憶と一致しています。スパイによって開かれた手紙は奇数が書かれた1通だけなので,スパイによって開かれた手紙はC1列またはC3列にあることがわかります。
- C3列とC4列の開いている手紙に書かれている数の合計は偶数であり,これも警備員の記憶と一致しています。スパイによって開かれた手紙は奇数が書かれた1通だけなので,スパイによって開かれた手紙はC1列またはC2列にあることがわかります。
- {C1列,または,C3列} と {C1列,または,C2列} の両方に含まれているのは C1列だけなので,スパイによって開かれた手紙はC1列にあることがわかります。
- 今度は,行(横の並び)に注目します:
- R2行とR4行の開いている手紙に書かれている数の合計は奇数であり,これは警備員の記憶と一致していません。したがって,スパイによって開かれた手紙がR2行またはR4行にあることが分かります。
- R3行とR4行の開いている手紙に書かれている数の合計は奇数であり、これも警備員の記憶と一致しません。したがって,スパイによって開かれた手紙がR3行またはR4行にあることが分かります。
- {R2行,または,R4行} と{R3行,または,R4行}の両方に含まれるのはR4行だけなので,スパイによって開かれた手紙はR4行にあることが分かります。
- 上記の考察により,スパイによって読まれた手紙はC1列とR4行にあることが特定されます。
- 実際のコンピュータでは
- この問題は,エラー訂正の概念を学ぶための問題です。デジタルデータは本質的にビットのシーケンス,つまり1と0の列でできています。デジタルデータがネットワークで送信されるときには,電気ノイズや改ざんなどよってデータが破損する可能性があります。DVDに保存されたデータなども,ディスクが傷ついた場合などに一部のデータが破損することがあります。したがって,破損したことを検出(エラー検出)し,破損したデータを訂正する(エラー訂正)仕組みが必要です。