SeniorAnswer2014

シニア問題解説(高校2年生・3年生)

  • A

    2014-おもしろいまど-解説

    • 正解は次の絵です。

      おもしろいまど 正解

      • 問題で,船の両側の窓の絵は、船の先頭が反対方向を向いています。
      • 錨(イカリ)の位置に注目することで,どの窓がどの窓と対応するかを知ることができます。
    • 解説
      • コンピュータは情報を0と1の2種類の値を組合せて扱います。
      • この問題では,左右の窓は0(白)と1(灰色)で表されています。
      • この問題を解くひとつの方法は,ORの演算とXORの演算をすることです。ORは「両方またはどちらかの値が1ならば結果は1(そうでなければ0)」,XORは「どちらか一方の値が1ならば結果は1(そうでなければ0)」という演算です。
        • 窓の色を「0(白)と1(灰色)」と考えてORの演算をすることで結果が「0(白)か1(灰色か黒)」がわかる。
        • 窓の色を「0(白)と1(灰色)」と考えてXORの演算をすることで結果が「0(白か黒)か1(灰色)」がわかる。
      • もうひとつの方法は,それぞれの窓を「0(白)と1(灰色)」という数字で並べて足し算をすることです。すると「0 1 1 1 0 0 1 0」+「0 0 0 1 1 0 1 1」=「0 1 1 2 1 0 2 1」という結果になり,「0の窓は白,1の窓は灰色,2の窓は黒」に見えることがわかります。
    • 出題国: この問題はカナダで作成されました。

    2014-みつばちロボット-解説

    • 正解は「四角, 進む, 回る, 三角」です。
      • 「四角, 回る, 進む, 三角」では,みつばちロボットはこのように描きます。
        みつばちロボット説明1
      • 「四角, 進む, 回る, 三角」では,みつばちロボットはこのように描きます。
        みつばちロボット説明2
      • 「三角, 回る, 四角」では,みつばちロボットはこのように描きます。
        みつばちロボット説明3
      • 「四角, 進む, 四角, 回る, 三角」では,みつばちロボットはこのように描きます。
        みつばちロボット説明4
    • 試してみよう
      • 命令をどのように組み合わせると,みつばちロボットがどのように動くか試せます。
    • 解説
      • コンピュータは命令を順番に実行することでさまざまな処理を行います。この問題は命令を順番に実行するコンピュータの処理を表しています。
      • この問題で使われた「前進や回転の命令で移動し,移動した軌跡が線として残る」仕組みは,LOGOという教育用のプログラミング言語で提案され,現在もドリトルやScratchなどの言語で使われています。
    • 出題国: この問題はスロバキアで作成されました。

    2014-ダム-解説

    • 正解は11時間です。
      • 下の絵のように,水は川から1時間に1マスずつ草地に入ってきます。
      • 最後の草地に水が入るのは11時間後です。

        ダム説明

    • 試してみよう
    • 解説
      • この問題では,水が草地に入っていくときに複数の経路(道)を通ります。そして、それぞれの経路の水は出発点から同じ速さで進んでいきます。
      • このような複数の経路を同じ速さで並行して調べていく探索を「幅優先探索」と呼んでいます。(ひとつの経路をいちばん奥まで調べてから他の経路を探す探索は「深さ優先探索」と呼ばれます。)
    • 出題国: この問題はリトアニアで作成されました。

    2014-村のスピーカー-解説

    • 正解は「3」です。
      • 2個のスピーカーではすべての家にお知らせを届けることはできません。
      • 3個のスピーカーでは,次のどちらかの置き方で,すべての家にお知らせを届けることができます。

        村のスピーカー説明1 村のスピーカー説明2

    • 試してみよう
      • 線と線が交わる場所をクリックすると,そこにスピーカー(印)を置けます。
      • スピーカー(印)をクリッすると,そのスピーカーを取り除けます。
    • 解説
      • できるだけ少ない機器で必要なエリア(領域)をカバーする技術は,携帯電話の通信用のアンテナをどのように配置するかといった形で世の中で使われています。
    • 出題国: この問題は日本で作成されました。
  • B

    2014-LEDの並び-解説

    • 正解は次の図です。

      LED 正解画像

      • 1回毎に状況は次のように変化していきます。

        LED 解答説明

    • 解説
      • この問題はセルラーオートマトンを題材にしています。各 LED (セルラーオートマトンの言葉ではセルといいます)は,近隣の LED の状態にしたがって自分の状態を変化させます。
      • セルラーオートマトンは複雑系の研究に有用な計算モデルです。
    • 出題国: この問題はイタリアで作成されました。

    2014-カッコを使わない数式-解説

    • 正解は「2 a b × a c × b c × + + ×」です。
      • 正解の式はこのように通常の式に戻していくことができます。
        • 「a b ×」「a c ×」「b c ×」を「a×b」「a×c」「b×c」に戻すと「2 (a×b)(a×c)(b×c)+ + ×」になります。
        • 「(a×c)(b×c) +」を戻すと「2 (a×b) (a×c+b×c) + ×」になります。
        • 「(a×b) (ac+bc) +」を戻すと「2 (a×b+a×c+b×c) ×」になります。
        • これを戻すと「2×(a×b+a×c+b×c)」になります。

          解法

    • 解説
      • 2つの値を計算するときに,「2+3」のように命令(計算の記号)を2つの値の真ん中に置く書き方を「中置記法」といいます。
      • プログラミング言語の関数呼び出しの「add(2, 3);」のように,命令の後に計算する値を書く書き方を「前置記法」といいます。
      • この問題の「2 3 +」のように,計算する値の後に命令を書く書き方を「後置記法」といいます。
      • 後置記法はForthやPostScriptというプログラミング言語で使われており,PDFの内部でも後置記法が使われています。
      • また,「2と3を加える」のように日本語に近い形で読み下すことができることから、ドリトルのような教育用のプログラミング言語でも使われています。
    • 出題国: この問題はスロベニアで作成されました。

    2014-モンスター-解説

    • 正解は「6」です。
      • 黄色の部屋は127個あります。
      • 真ん中の64番目の部屋をクリックすると,モンスターのいる部屋を63個に絞れます。
      • 続けて,63個の真ん中の部屋をクリックして31個に絞り,もう一度クリックして15個に絞る,という作業を続けていくと,6回のクリックでモンスターを1個の部屋に閉じ込められます。
        127→63→31→15→7→3→1
    • 解説
      • この問題では大量のデータの中から目的のデータを探す「二分探索」を扱っています。
      • 二分探索を使うと,並びの真ん中を見て目的のデータがどちら側にあるかを調べることで、目的のデータを効率よく探すことが可能です。
      • この例では,端から1個ずつクリックして調べていくと全部の部屋を調べるのに127回かかってしまいますが,半分ずつ調べていくことにより6回で探すことができました。
    • 出題国: この問題はフランスで作成されました。

    2014-動きの検出-解説

    • 正解は「画像11をその1秒前の画像と比較した時」です。
      • この問題のコンピュータは「左から右への動き」を検出したときにベルを鳴らします。
      • それぞれの画像は次のような状態になります。
        画像0状態A
        画像1状態A
        画像2状態A
        画像3状態A
        画像4状態B
        画像5状態A
        画像6状態B
        画像7状態B
        画像8状態C
        画像9状態C
        画像10状態C
        画像11状態A(ベル)
    • 解説
      • 空港のようなセキュリティが重要な区域には監視カメラが設置されて画像を記録しています。
      • 監視カメラはコンピュータにも接続されていて,区域に入った人数を数えたり、危ない行動を検知したりします。
      • 行動を検知するプログラムはこの問題と同様に動きの状態を利用しています。
    • 出題国: この問題はドイツで作成されました。
  • C

    2014-丸太の作品-解説

    • 正解は次の形です。

      丸太の作品 正解

      • 1回目の置き換え後に正解の形になる規則を用いると,2回目の置き換え後に問題の形になっていることがわかります。

        丸太の作品 説明

    • 解説
      • コンピュータは少数のルールを繰り返し適用することで複雑な動作を行っています。
      • この問題では,1本の線を複数の線で置き換えていきますが,これは「再帰的アルゴリズム」と呼ばれる考え方です。
      • この問題中の規則に従い描かれる絵は,自己相似が無限に繰り返される「フラクタル」と呼ばれている図形となります。
    • 出題国: この問題はスイスで作成されました。

    2014-儀式-解説

    • 正解
      • 図をわかりやすく描き直すと,次のようになります。
        儀式 解法説明
      • 対話形式の問題では,作成した行事予定がこの図に当てはまる順序になっていれば正解です。
        • たとえば「Choir Singing(聖歌隊合唱), Boring Speeches(退屈な挨拶) , Lottery(抽選会), Drum Roffle(太鼓連打), Musical Intemezzo(間奏曲演奏), Fanfare(ファンファーレ), Fireworks(花火), Thank you(謝辞)」は正解の1つです。
      • 他にも以下が正解です。(最初の「Choir Singing」と最後の「Thank you」は省略しています。)
        • 「Drum Roffle」 - 「Boring Speeches」 - 「Lottery」 - 「Musical Intermezzo」 - 「Fanfare」 - 「Fireworks」
        • 「Drum Roffle」 - 「Boring Speeches」 - 「Musical Intermezzo」 - 「Fanfare」 - 「Fireworks」 - 「Lottery」
        • 「Drum Roffle」 - 「Boring Speeches」 - 「Musical Intermezzo」 - 「Fanfare」 - 「Lottery」 - 「Fireworks」
        • 「Drum Roffle」 - 「Boring Speeches」 - 「Musical Intermezzo」 - 「Lottery」 - 「Fanfare」 - 「Fireworks」
        • 「Boring Speeches」 - 「Drum Roffle」 - 「Lottery」 - 「Musical Intermezzo」 - 「Fanfare」 - 「Fireworks」
        • 「Boring Speeches」 - 「Drum Roffle」 - 「Musical Intermezzo」 - 「Fanfare」 - 「Fireworks」 - 「Lottery」
        • 「Boring Speeches」 - 「Drum Roffle」 - 「Musical Intermezzo」 - 「Fanfare」 - 「Lottery」 - 「Fireworks」
        • 「Boring Speeches」 - 「Drum Roffle」 - 「Musical Intermezzo」 - 「Lottery」 - 「Fanfare」 - 「Fireworks」
      • 非対話形式の問題では,図の規則に合っていない選択肢は "Drum, Musical, Fanfare, Boring, Lottery, Fireworks" です。"Boring" が "Musical" の後に置かれてしまっています。
    • 解説
      • この問題では,対象を「ノード(頂点)」と「エッジ(辺)」で表すグラフ表現を扱っています。
      • この問題で,儀式の行事は順序を示す矢印で結ばれた有向グラフとして表現されています。
      • コンピュータでは,グラフ構造を利用することで複雑なデータを表現したり、鉄道の経路探索のような複雑な問題を扱ったりしています。
      • この問題の図を上の図のように並び替えることはトポロジカルソートと呼ばれるもので,エッジを出している(矢印の元)ノードが,そのエッジが入る(矢印の先)ノードよりも前に置くように並び替えます。これにより,この問題のように前に行われていなければいけない行事があるときのスケジューリングを考えることができます。
    • 出題国: この問題はフランスで作成されました。

    2014-翻訳マシン-解説

    • 正解は次の図です。

      翻訳マシン正解

      • 通り道の得点が左から順に「6→5→6→5」となり,点数は「22」になります。
      • 効率よく解を求めるには,左の英単語から順に,それらの下の記号までの点数の最大を求めていくと良いでしょう。
    • 解説
      • 正解に書かれている解法は,「動的計画法」と呼ばれている方法です。
    • 出題国: この問題はチェコで作成されました。

    2014-背くらべ-解説

    • 正解は「Diggy, Amy, Cuttree, Beavy, Eary」です。
      • 問題は2段階で考えていきます。
      • 最初はそれぞれのビーバーについて,自分より背の高いビーバーが何人いるかを数えます。そして背の低い順に1,2,3,4,5の番号を付けます。
        • まず,Diggyより大きいビーバーはいないので5にします。
        • 次に,Cuttreeより大きいビーバーは1人しかいないので4にします。
        • 同様に,Earyを3,Amy2を2,Beavyを1にします。
      • 次にそれぞれのビーバーについて、自分より背の高いビーバーが前と後に何人いるかを考えます。
        • Cuttreeは前に自分より大きなビーバーが1人いますので,Diggyより後にいることがわかります。
          「(前)  D5  C4  (後)」
        • Earyは前に自分より大きなビーバーが2人いますので,DiggyとCuttreeより後にいることがわかります。
          「(前)  D5  C4  E3  (後)」
        • Amyは前に自分より大きなビーバーが1人,後に自分より大きなビーバーが2人いますので、DiggyとCuttreeの間にいることがわかります。
          「(前)  D5  A2  C4  E3  (後)」
        • Beavyは前に自分より大きなビーバーが3人,後に自分より大きなビーバーが1人いますので、CuttreeとEryの間にいることがわかります。
          「(前)  D5  A2  C4  B1  E3  (後)」
    • 解説
      • この問題ではデータの並び替えを扱っています。
      • さまざまな問題を扱うときに、最初にデータを並び替えてみるのはよい方法です。
    • 出題国: この問題はスウェーデンで作成されました。

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