SeniorAnswer2020

シニア問題解説(高校2年生・3年生)

  • A

    2020-カギの番号-解説

    • 考案国:キプロス
    • 正解
      • 496
    • 説明
      • 箱に書かれた文字を見ていくと、いちばん右にBが書かれた箱が4個あることがわかります。鍵の数字を見ると、いちばん右の数が6の鍵は3個ありますので、「Bは6」であることと、「番号のない鍵のいちばん右は6」であることがわかります。
      • 次に、「BEB」という箱を見ると、左と右が両方とも6の鍵は「636」がありますので、「Eは3」であることがわかります。
      • 次に、いちばん右がBでない「AER」の箱を考えると、いちばん右が6でない鍵は「934」がありますので、「Aは9」であることと、「Rは4」であることがわかります。
      • すると、「396の鍵はEAB」であることと、「346の鍵はERB」であることがわかりますね。
      • そうすると、残りの箱は「RAB」ですので、番号のない鍵は496であることがわかります。
    • 実際のコンピュータでは
      • この問題では、アルファベットの文字を数字で表す「換字式暗号」を扱いました。鍵の数字だけを見ても誰の鍵かがわかりませんので、安全に鍵を管理することができます。
      • ただし、秘密にしている「どの数字がどの文字を表すか」という一覧表が知られてしまうと誰でも解読できてしまうため、あまり安全な暗号ではありません。
      • 現在ではコンピュータや通信するデータの安全を守るために、もっと複雑で安全な暗号が使われています。

    2020-ハイウェイ-解説

    • 考案国:スロバキア
    • 正解
      • 画像の説明
    • 説明
      • Dから行くことのできる町を考えると、DからはA、B、C、Dのすべての町に高速道路がつながっています。D以外の町の間を結ぶ道路は、BとCの町を結ぶ高速道路だけです。この条件を満たす図を探しましょう。
    • 実際のコンピュータでは
      • この問題では、高速道路の地図を「グラフ構造」で表しています。町と道路を「点と線」のようなシンプルな形で表すことで、問題をコンピュータを用いて解きやすくすることができるようになります。

    2020-タイル並べ-解説

    • 考案国:日本
    • 正解
      • 画像の説明
    • 説明
      • ビ太郎は、最後に置いた2個のタイルの数を使って、次に置くタイルを決めています。順番に考えていきましょう。計算した数が7を超えたときは結果を-2にすることに注意しましょう。
        1+2=3
          2+3=5
            3+5=8→-2
              5+  -2=3
                  -2+3=1
                     3+1=4
    • 実際のコンピュータでは
      • この問題では、次のタイルの値を決めるために、前の2個のタイルの値を使って計算しています。そして、次のタイルの値は、その次のタイルの計算に使われます。このように計算していくと、「7より大きければ-2にする」の規則がなければ、値は急速に大きくなっていきます。
      • この計算による値の並びはフィボナッチ数列と呼ばれ、木の枝の成長や、パイナップルや松ぼっくりの形など、自然界のさまざまな現象を分析するために使われています。

    2020-ニュース拡散-解説

    • 考案国:マケドニア
    • 正解
      • B
    • 説明
      • 周辺にいるIから伝え始めると、Lに伝わるまでに4回も伝える必要があります。JやBのように真ん中にいるビーバーのほうが伝えやすいかもしれません。Jだと、Iまで3回必要ですが、Bだと、すべてのビーバーに2回で伝えられることがわかります。
    • 実際のコンピュータでは
      • この問題では、ビーバーの部屋とそれらを結ぶロープを、「グラフ構造」の「点と線」で表しています。そして、すべての点に最短距離で行けるグラフの中心を求めています。このようなグラフの中心を求めることで、救急車や消防車がすべての家に短い時間で行けることを確認することができるため、病院や消防署を作る場所の計算などに使われています。
  • B

    2020-光るパネル-解説

    • 考案国:日本
    • 正解
      • 画像の説明
    • 説明
      • パネルはその上を歩くたびに「光る/消える」を繰り返すため、すべてのパネルを光らせるには、「消えているパネルの上を1回」「光っているパネルの上を2回」歩けばよいことがわかります。
        画像の説明
    • 実際のコンピュータでは
      • この問題では、パネルの上を歩くと光のオンとオフが反転しますが、もう一度歩くと元に戻ることを利用しています。プログラムの変数などを記憶するコンピュータのメモリも、最初に使うときは書き込まれていたデータをすべて消してから、新しい用途に使うことがあります。

    2020-家電製品-解説

    • 考案国:日本
    • 正解
      • B, C, D, E
    • 説明
      • 製品は、つながっているスイッチが押されるたびに「オン/オフ」を繰り返します。1回目はオン、2回目はオフ、3回目はオン、4回目はオフ、のように、奇数回はオン、偶数回はオフになります。そこで、「オンにしたい製品には奇数個のスイッチがつながり、オフにしたい製品には偶数個のスイッチがつながる」ように考えてみましょう。
      • Aを押すとテレビとコーヒーメーカーをオンにできますが、掃除機もオンになってしまいます。そして、掃除機をオフにしようとしてEを押すとテレビもオフになってしまい、うまくいきません。
      • 次に、BとCを押すとコーヒーメーカーとテレビをオンにできますが、洗濯機と掃除機もオンになってしまいます(パソコンは2回押されるのでオフに戻ります)。そこでDとEを押してみると、洗濯機と掃除機はオフになり、テレビは2回押されるのでオンに戻ります。
    • 実際のコンピュータでは
      • この問題では、スイッチを押すと、電気製品のオンとオフが切り替わりました。このように、「電源がオンになっている」「電源がオフになっている」という「状態」が変化します。状態は「状態遷移図」でわかりやすく表現できます。下の図で、最初の状態「S0」ではすべての電気製品は電源がオフになっています。次にボタン「A」を押すと、「テレビとコーヒーメーカーと掃除機がオン」になっている状態「S1」に移ります。そしてもう一度ボタン「A」を押すと状態「S0」に戻ります。
      • コンピュータやスマートフォンのアプリも、「状態」を持って動いています。メールやメッセージのアプリでは、起動したときの一覧状態から、届いたメッセージを選ぶと詳細を表示する次の状態に移り、返信ボタンを押すと文字を入力する状態に移ります。
        画像の説明

    2020-パスワード-解説

    • 考案国:ドイツ
    • 正解
      • 画像の説明
    • 説明
      • 検証システムを観察すると、Sからスタートするので「1文字目は星」であることがわかります。終わりはEに戻るため、最後は「星月星」「星星月」「月星星」のどれかであることがわかります。
    • 実際のコンピュータでは
      • この問題では、入力された記号が正しい並びになっているかどうかを検証システムを使って調べました。コンピュータでは、検証システムのことを「オートマトン」と呼んでいます。たとえば、入力された文字が金額を表す数値になっているどうかの確認や、入力された文字が正しいメールアドレスになっているかどうかの確認には、オートマトンが使われています。

    2020-共同作業-解説

    • 考案国:ニュージーランド
    • 正解
      • 5
    • 説明
      • 作っている部品は7個あります。トレイをどのような順に回しても、集められない部品が2個できてしまいます。
      • たとえば12番の部品を集めるためには、12分に12番の部品を集める必要があり、15分に3番の部品を集めて16分にxに渡すことになります。すると、15番は通れませんし、8分に8番の部品を集めてから12番に送ると13分になってしまいますので、8番と12番の両方を集めることはできません。
      • 図を描きながら考えてみるとわかりやすいかもしれません。
        画像の説明
    • 実際のコンピュータでは
      • この問題では、机を点に、机の間の縦横の移動を線にした「グラフ構造」で表すと考えやすくなります。問題の基本的な考え方は、スタートから始めて何個目の机かを数えながらトレイを渡していきますが、部品を作っている机には、できるだけ部品を作り終えた時間より後にトレイが回ってくる必要があります。
      • このような、複数の条件が同時に満たされる問題を解くことは簡単ではありません。コンピュータも、どの机から始めてどの机の順序でトレイを回せばよいかを何度も試す必要がありますが、人間よりも処理が早いため、何百通りもの試行錯誤を行うことができます。
  • C

    2020-チェスの大会-解説

    • 考案国:ベトナム
    • 正解
      • Charlie, Emma, Gerard, Isaac
    • 説明
      • 1回でも負けたら優勝はできませんので、その人に向かう矢印がある人を除いて考えましょう。すると、ひとつも矢印が向いていないのは「Charlie」「Emma」「Gerard」「Isaac」の4人であることがわかります。
    • 実際のコンピュータでは
      • 問題の図は、点と線を使っていますが、線は矢印になっています。このような、線に向きのあるグラフ構造を「有向グラフ」と呼びます。有向グラフを使うと、「AはBより強い」「Aが終わってからBを作業する」のような向きのある情報を扱えます。

    2020-列車の旅-解説

    • 考案国:スロベニア
    • 正解
      • 7
    • 説明
      • 列車に乗れる人数と重さは、3両をあわせて「31人、660kg」です。8つの家族の合計は「32人、660kg」ですので、すべての家族が乗ることはできないことがわかります。
      • 次に、7つの家族が乗れるかどうかを考えてみましょう。たとえば、1両目に「G(6人、130kg)」が乗り、3両目に「B,D,E,H(15人、300kg)」が乗ると、2両目には「A,C,Fのうち2家族(6人か8人で、120kgか160kgか180kg)」が乗ることができるため、合わせて7家族が乗ることができます。
      • いろいろと試しながら考えたいときは、家族ごとの情報を書いた紙を作り、車両の下に置いて考えるとわかりやすいと思います。
        画像の説明
    • 実際のコンピュータでは
      • この問題では、「家族の人数」「家族ごとの荷物の重さ」「車両の人数(座席数)」「車両の重さ制限」「家族は分かれて乗れない」といった制約があります。このように複数の制約があるときは、たくさんの組み合わせの中から最適な解を見つけることは簡単ではありません。興味のある人は「ナップザック問題」を調べてみましょう。

    2020-石取りゲーム-解説

    • 考案国:ハンガリー
    • 正解
      • 白い石を3個
    • 説明
      • グレーテルが勝つ条件を、逆から考えていきましょう。
      • まず黒い石を考えると、グレーテルが最後に1個か2個を取って勝つためには、その前にヘンゼルに3個の中から1個か2個を取ってもらう必要があります。つまり、黒い石については、最初に石を取ったほうが負けることがわかります。
      • 次に白い石を考えると、グレーテルが最後に1個から3個を取って勝つためには、その前にヘンゼルが1個から3個を取ったときに、1個から3個が残ることが必要です。つまり、ヘンゼルの番になったときに、石が4個になっていればグレーテルが勝てます。このような状況を作るためには、グレーテルは最初に7個から3個を取って、白い石を4個残す必要があります。
    • 実際のコンピュータでは
      • コンピュータが効率よく問題を解くためのヒントになることから、石取りのようなさまざまなゲームについて研究が行われてきました。
      • この問題では、最後にグレーテルが勝つ状態を考えて、その前にヘンゼルがどのような手を打ってもその状態になるにはどうしたらよいかを考えます。
      • このような分析は、チェスや将棋、囲碁などの分析に使われていますが、考えられる手が膨大なため、石取りゲームとは違う人工知能を利用した分析と学習が利用されています。

    2020-ネズミのハミング-解説

    • 考案国:ロシア
    • 正解
      • 3
    • 説明
      • メッセージの変化を調べるための3匹のネズミに注目して考えましょう。
      • 2番目と3番目と4番目の赤の旗は1本で奇数です。しかし、7番目の旗は赤ではないので、「2,3,4,7のどれかが間違っている」ことがわかります。
      • 1番目と2番目と3番目の赤の旗は2本で偶数です。そして、5番目の旗は赤なので、「1,2,3,5のどれかが間違っている」ことがわかります。
      • 1番目と2番目と4番目の赤の旗は1本で奇数です。そして、6番目の旗は赤なので、「1,2,4,6は正しい」ことがわかります。
        画像の説明
    • 実際のコンピュータでは
      • スマートフォンの通信では、音声や動画、文字などが電波の状態によって途切れたり一部が壊れたデータの形で届くことがあります。
      • 受け取ったデータが送ったデータと同じかどうかを調べるには、チェック用のデータを付けて送る「エラー検出」の方法があります。
      • そして、チェック用のデータを増やすことで、この問題のように「どのデータが壊れたのか」を調べて正しいデータに修正する「エラー訂正」が可能になります。
      • この技術は、パソコンやスマートフォンの通信だけでなく、CDやDVDの再生や、商店のバーコードの読み込みなどでも利用されています。

シニア問題に戻る

powered by Quick Homepage Maker 5.0
based on PukiWiki 1.4.7 License is GPL. QHM

最新の更新 RSS  Valid XHTML 1.0 Transitional