JuniorAnswer2020

ジュニア問題解説(中学3年生・高校1年生)

  • A

    2020-カンガルーのジャンプ-解説

    • 考案国:リトアニア
    • 正解
      • 14
    • 説明
      • この図の道が最短になります。スタートから考えていくと、いろいろな道に進めるため複雑ですね。この問題では、ゴールから考えていくと、進める道がひとつに決まるため考えやすくなります。
        画像の説明
    • 実際のコンピュータでは
      • この問題では、スタートから始めて、「進める道を歩いてみて、行き止まりになったり遠回りになれば戻って別の道に進む」ことを行います。あらかじめ最短の道はわからないので、進みながら調べていく必要があるのです。
      • この問題では、ゴールから逆に探したほうが効率よく見つけられますが、これもスタートからとゴールからの両方を試してみないとわかりません。このような最短の道を見つける処理は経路探索処理と呼ばれ、車のカーナビや鉄道の路線検索アプリなどで利用されています。

    2020-食料品店-解説

    • 考案国:オーストリア
    • 正解
      • 図は左右が反対でも構いません。
        画像の説明
    • 説明
      • 食料品店が営業できる場所は11箇所あります。すべての場所についていちどに考えるのは大変ですね。
      • そこで最初に、「ここにお店がないといけない」という必須の場所から考えていきましょう。すると、いちばん左と右にある村は、隣に食料品店が必要です。
      • そこに食料品店を置くと、次はいちばん下の2つの村に食料品店が必要です。このようにひとつずつ決めていくと、食料品店を営業すればよい場所がわかります。
    • 実際のコンピュータでは
      • 全国の地域にどのように食料品店やコンビニ、学校などを配置すればよいかは重要な問題です。人が地図を見ながら検討するだけでなく、コンピュータを使い、この問題と同様に最適な配置を検討するアルゴリズムが使われています。

    2020-ジグソーパズル-解説

    • 考案国:中国
    • 正解
      • 13
    • 説明
      • 下の図のようになります。まず、大きな部品で形を考えてみましょう。
      • 次に、その部品を小さな部品で置き換えたときに、さらに少ないコインで作れるかを考えるとよいでしょう。
        画像の説明
    • 実際のコンピュータでは
      • 同じことを、2通り以上のやり方でできることがあります。結果は同じでも、かかる時間や費用が違うかもしれません。
      • 今回の問題では、正方形を1個使うときと、長方形を2個使うときで、どちらが安い費用で作れるかを考える必要がありました。
      • たとえば車のカーナビに内蔵されたコンピュータは、「距離はこちらの道のほうが近いが、渋滞を考えると別の道のほうが早く着く」といった計算をしながら最適な道を選ぶようにしています。

    2020-丸太の分類-解説

    • 考案国:パキスタン
    • 正解
      • C
    • 説明
      • ビーバーが丸太を分けるときのルールを見ながら、矢印をたどって行きます。
      • 最初にいちばん上のビーバーが年輪を見て、2本なので左に送ります。
      • 次のビーバーは樹皮の線を見て、3本あるので右に送ります。
      • 最後に下のビーバーが木の節を見て、1個あるのでCに送ります。
    • 実際のコンピュータでは
      • ビーバーたちは、いちばん上のビーバーから始めて、条件によって左と右の道を選んで判断を進めます。
      • この問題のように、判断の決定を繰り返すことで、最後の結論を決定する構造を「決定木」と呼んでいます。決定木を作っておくと、いくつかの判断によって手順通りに結論を決められるため、決定を効率的に行なえます。
  • B

    2020-ハイウェイ-解説

    • 考案国:スロバキア
    • 正解
      • 画像の説明
    • 説明
      • Dから行くことのできる町を考えると、DからはA、B、C、Dのすべての町に高速道路がつながっています。D以外の町の間を結ぶ道路は、BとCの町を結ぶ高速道路だけです。この条件を満たす図を探しましょう。
    • 実際のコンピュータでは
      • この問題では、高速道路の地図を「グラフ構造」で表しています。町と道路を「点と線」のようなシンプルな形で表すことで、問題をコンピュータを用いて解きやすくすることができるようになります。

    2020-カギの番号-解説

    • 考案国:キプロス
    • 正解
      • 496
    • 説明
      • 箱に書かれた文字を見ていくと、いちばん右にBが書かれた箱が4個あることがわかります。鍵の数字を見ると、いちばん右の数が6の鍵は3個ありますので、「Bは6」であることと、「番号のない鍵のいちばん右は6」であることがわかります。
      • 次に、「BEB」という箱を見ると、左と右が両方とも6の鍵は「636」がありますので、「Eは3」であることがわかります。
      • 次に、いちばん右がBでない「AER」の箱を考えると、いちばん右が6でない鍵は「934」がありますので、「Aは9」であることと、「Rは4」であることがわかります。
      • すると、「396の鍵はEAB」であることと、「346の鍵はERB」であることがわかりますね。
      • そうすると、残りの箱は「RAB」ですので、番号のない鍵は496であることがわかります。
    • 実際のコンピュータでは
      • この問題では、アルファベットの文字を数字で表す「換字式暗号」を扱いました。鍵の数字だけを見ても誰の鍵かがわかりませんので、安全に鍵を管理することができます。
      • ただし、秘密にしている「どの数字がどの文字を表すか」という一覧表が知られてしまうと誰でも解読できてしまうため、あまり安全な暗号ではありません。
      • 現在ではコンピュータや通信するデータの安全を守るために、もっと複雑で安全な暗号が使われています。

    2020-タイル並べ-解説

    • 考案国:日本
    • 正解
      • 画像の説明
    • 説明
      • ビ太郎は、最後に置いた2個のタイルの数を使って、次に置くタイルを決めています。順番に考えていきましょう。計算した数が7を超えたときは結果を-2にすることに注意しましょう。
        1+2=3
          2+3=5
            3+5=8→-2
              5+  -2=3
                  -2+3=1
                     3+1=4
    • 実際のコンピュータでは
      • この問題では、次のタイルの値を決めるために、前の2個のタイルの値を使って計算しています。そして、次のタイルの値は、その次のタイルの計算に使われます。このように計算していくと、「7より大きければ-2にする」の規則がなければ、値は急速に大きくなっていきます。
      • この計算による値の並びはフィボナッチ数列と呼ばれ、木の枝の成長や、パイナップルや松ぼっくりの形など、自然界のさまざまな現象を分析するために使われています。

    2020-ニュース拡散-解説

    • 考案国:マケドニア
    • 正解
      • B
    • 説明
      • 周辺にいるIから伝え始めると、Lに伝わるまでに4回も伝える必要があります。JやBのように真ん中にいるビーバーのほうが伝えやすいかもしれません。Jだと、Iまで3回必要ですが、Bだと、すべてのビーバーに2回で伝えられることがわかります。
    • 実際のコンピュータでは
      • この問題では、ビーバーの部屋とそれらを結ぶロープを、「グラフ構造」の「点と線」で表しています。そして、すべての点に最短距離で行けるグラフの中心を求めています。このようなグラフの中心を求めることで、救急車や消防車がすべての家に短い時間で行けることを確認することができるため、病院や消防署を作る場所の計算などに使われています。
  • C

    2020-光るパネル-解説

    • 考案国:日本
    • 正解
      • 画像の説明
    • 説明
      • パネルはその上を歩くたびに「光る/消える」を繰り返すため、すべてのパネルを光らせるには、「消えているパネルの上を1回」「光っているパネルの上を2回」歩けばよいことがわかります。
        画像の説明
    • 実際のコンピュータでは
      • この問題では、パネルの上を歩くと光のオンとオフが反転しますが、もう一度歩くと元に戻ることを利用しています。プログラムの変数などを記憶するコンピュータのメモリも、最初に使うときは書き込まれていたデータをすべて消してから、新しい用途に使うことがあります。

    2020-家電製品-解説

    • 考案国:日本
    • 正解
      • B, C, D, E
    • 説明
      • 製品は、つながっているスイッチが押されるたびに「オン/オフ」を繰り返します。1回目はオン、2回目はオフ、3回目はオン、4回目はオフ、のように、奇数回はオン、偶数回はオフになります。そこで、「オンにしたい製品には奇数個のスイッチがつながり、オフにしたい製品には偶数個のスイッチがつながる」ように考えてみましょう。
      • Aを押すとテレビとコーヒーメーカーをオンにできますが、掃除機もオンになってしまいます。そして、掃除機をオフにしようとしてEを押すとテレビもオフになってしまい、うまくいきません。
      • 次に、BとCを押すとコーヒーメーカーとテレビをオンにできますが、洗濯機と掃除機もオンになってしまいます(パソコンは2回押されるのでオフに戻ります)。そこでDとEを押してみると、洗濯機と掃除機はオフになり、テレビは2回押されるのでオンに戻ります。
    • 実際のコンピュータでは
      • この問題では、スイッチを押すと、電気製品のオンとオフが切り替わりました。このように、「電源がオンになっている」「電源がオフになっている」という「状態」が変化します。状態は「状態遷移図」でわかりやすく表現できます。下の図で、最初の状態「S0」ではすべての電気製品は電源がオフになっています。次にボタン「A」を押すと、「テレビとコーヒーメーカーと掃除機がオン」になっている状態「S1」に移ります。そしてもう一度ボタン「A」を押すと状態「S0」に戻ります。
      • コンピュータやスマートフォンのアプリも、「状態」を持って動いています。メールやメッセージのアプリでは、起動したときの一覧状態から、届いたメッセージを選ぶと詳細を表示する次の状態に移り、返信ボタンを押すと文字を入力する状態に移ります。
        画像の説明

    2020-パスワード-解説

    • 考案国:ドイツ
    • 正解
      • 画像の説明
    • 説明
      • 検証システムを観察すると、Sからスタートするので「1文字目は星」であることがわかります。終わりはEに戻るため、最後は「星月星」「星星月」「月星星」のどれかであることがわかります。
    • 実際のコンピュータでは
      • この問題では、入力された記号が正しい並びになっているかどうかを検証システムを使って調べました。コンピュータでは、検証システムのことを「オートマトン」と呼んでいます。たとえば、入力された文字が金額を表す数値になっているどうかの確認や、入力された文字が正しいメールアドレスになっているかどうかの確認には、オートマトンが使われています。

    2020-列車の旅-解説

    • 考案国:スロベニア
    • 正解
      • 7
    • 説明
      • 列車に乗れる人数と重さは、3両をあわせて「31人、660kg」です。8つの家族の合計は「32人、660kg」ですので、すべての家族が乗ることはできないことがわかります。
      • 次に、7つの家族が乗れるかどうかを考えてみましょう。たとえば、1両目に「G(6人、130kg)」が乗り、3両目に「B,D,E,H(15人、300kg)」が乗ると、2両目には「A,C,Fのうち2家族(6人か8人で、120kgか160kgか180kg)」が乗ることができるため、合わせて7家族が乗ることができます。
      • いろいろと試しながら考えたいときは、家族ごとの情報を書いた紙を作り、車両の下に置いて考えるとわかりやすいと思います。
        画像の説明
    • 実際のコンピュータでは
      • この問題では、「家族の人数」「家族ごとの荷物の重さ」「車両の人数(座席数)」「車両の重さ制限」「家族は分かれて乗れない」といった制約があります。このように複数の制約があるときは、たくさんの組み合わせの中から最適な解を見つけることは簡単ではありません。興味のある人は「ナップザック問題」を調べてみましょう。

ジュニア問題に戻る

powered by Quick Homepage Maker 5.0
based on PukiWiki 1.4.7 License is GPL. QHM

最新の更新 RSS  Valid XHTML 1.0 Transitional