CastorAnswer2023
CastorAnswer2023
カスター問題解説(小学3年生・4年生)
- A
2023-リンゴのタネ-解説
- 考案国:チェコ
- 正解
- 説明
- どのリンゴもタネは5つです。ですが, タネの数えるだけでは問題を解決できません。
- 上半分に同じ数のタネが残っている2つのリンゴは, タネの並び方を見比べることで区別することができます。
- 実際のコンピュータでは
- 現実世界には,例えば DNA の核酸塩基の A-T ペアや C-G ペア,または鍵と錠前のように,組み合わせる必要があるものがあります。情報学では,パスワードで保護されたファイル(錠前)ごとに,それを開くためのパスワード(鍵)があります。プログラミングでは,一部の関数は特定の数の入力パラメータを必要とします。コンパイラの仕事は,関数呼び出しで提供されるパラメータの数とその型が関数定義によって期待される値と一致するかどうかをチェックすることです。
- この問題を解くには,半分に切ったリンゴがどのように組み合わせるかを見極める必要があります。残りを見つけるのとパターン認識が,この問題を解くための主要スキルです。
- 問題の上半分とリンゴに対してグラフを作成することができます。ノード(頂点)は種が残っている場所を意味し,エッジ(辺)はとなり合っている種の場所の両方に種が残っていることを意味します。
- 下半分のリンゴに対しては,逆に,種が残っていない場所をノード(頂点)と,となり合っているた種の場所で両方に種が無ければエッジ(辺)で結びます。
- このようにグラフを作成すると,元が同じリンゴであれば,上半分からも下半分からも同じグラフが得られます。
2023-ぼうしの長さ-解説
- 考案国:リトアニア
- 正解
- 説明
- ぼうしの長さを見比べないとなりません。ぼうしの下を合わせて並べると, 下の絵のようになります。
- ぼうしの長さを見比べないとなりません。ぼうしの下を合わせて並べると, 下の絵のようになります。
- 実際のコンピュータでは
- 情報学では,データを順番に並べることをソートや整列と呼びます。私たちの日常生活においても多くのものがソートされています。例えば,辞書で項目をソートしていなければ,必要な項目を見つけるのは大変な作業になります。インターネットの検索エンジンの検索結果も関連性の高い順に並べられてます。たいていのスポーツイベントの結果は成績の順に並べられています。項目がソートされていれば,項目がソートされていない場合よりも扱いやすくなります。特に項目数が多くなると,その利点はより顕著になります。
- この問題を解くには,まず問題を分析し,ビーバーの身長と帽子の高さを分ける必要がありまん。次に,データ(ビーバーの帽子の並び)を分析して並べ替えをします。背の高い帽子を右に背の低い帽子を左に移動させることは,整列アルゴリズムを作るための第一歩です。
2023-タイルならべ-解説
- 考案国:ドイツ
- 正解
- 説明
- 上の解答が正しいことはすぐに分かります。加えられた2つのタイルは,となり合う2つのタイルとうまく合っています。
- 2つの空いている場所に対して,置くことのできる6つのタイルのうち,うまく合うのは1つだけであることがわかります。
- 実際のコンピュータでは
- ビ太郎のタイルをもう一度詳しく見てみましょう。まず,外部との2つの境界線は陸地か水域のどちらかを示すように分割できます。
- つまり,分割した区域は,外部との境界に注目すると,水か陸地かの2種類しかありません。外部との境界が水の区域を "W" と,外部との境界が陸士の区域を "L" と表すことにします。
- また,境界の分割区域のタイプがタイルは貼り合わせることができます。したがって,空いている場所のほとんどの分割については,必要なタイプが決まります。空いている場所の外側の角にある2つの分割区域は, 貼り合わせる必要はないので "W" か "L" かのタイプを気にする必要はありません。そこで, "*" を記入することにします。こうして,空いている場所それぞれの分割区域について,"W", "L", "*" のパターンが決まります。空いている場所に置くタイルは,これらのパターンに合っている必要があります。いずれのパターンについても,選択肢のタイルのうちの1つだけが合致します。
- 要約すると,タイルの特別な性質を発見し,この性質を利用してタイルを "L" と "W" のパターンに置き換えました。こうすることで,タイルの絵に含まれる情報を大幅に削減し,このビーバーチャレンジの問題を解くのに必要なことに焦点を当てました。これらの文字のパターンを画像のモデルとして参照したのです。モデル化には抽象化が含まれ,抽象化によって情報が削減されます。そのようなモデルを作成する過程では,問題解決に必要な特性が失われないように注意する必要があります。
- ビ太郎のタイルをもう一度詳しく見てみましょう。まず,外部との2つの境界線は陸地か水域のどちらかを示すように分割できます。
- B
2023-ビーバーの花屋-解説
- 考案国:ドイツ
- 正解
- 説明
- 正解は2つあります:
- 花束を正しく作るには,3つの手順を順に行う必要があります。
- 最初の手順で,キクかバラを選びます。
- 2番目の手順では,またキクを選んでキク2本となるか,ここでは花を選ばす最初に選んだバラ1本となるかのどちらかです。
- 3番目の手順では,2本のキクに2本の葉のついたえだを加えて4本とするか,1本のバラに3本の葉のついたえだを加えて4本とするかのどちらかです。
- 正解は2つあります:
- 実際のコンピュータでは
- 花束を作る指示は非常に明瞭で,機械的に実行可能です。情報学では,これをアルゴリズムと呼びます。この問題には,多くのコンピュータープログラムに現れる典型的な指示がいくつかあります。
- 最初の指示は,処理対象の集まりからランダムに選択することです。
- 2番目の指示は「条件文」と呼ばれます。「もう1つのキクを選ぶ」という指示は,特定の条件が真である場合にのみ実行されます。この条件は「花がキクである」ということです。
- 3番目の指示は単純に見えますが,実際にはかなり複雑な「repeat-until」または「while」といった繰り返しです。ここでは,特定の動作,ここでは「2番目の枝を選ぶ」ということが何度か繰り返されます。繰り返しの回数は少なくとも1回であり,花束が4本の草花が含まれると停止します。
2023-かさ-解説
- 考案国:スイス
- 正解
- 説明
- どのパターンも,アンナのかさには1ヶ所にして使われてません。したがって,それぞれの画像とアンナのを次のように比較できます:
- 絵の中で一番左のパターンをアンナのかさから探します。
- 絵の中でそれに続くパターンがアンナのかさと合っているか調べます。
- それぞれの絵には,5つのパターンだけが並んでいます。したがって,アンナのかさの10パターンすべての並び方が合っているかは分かりません。ただし,下の表のCの絵だけが5つのパターンの並びがアンナのかさと合っています。そのため,アンナのかさの可能性があるのはCのかさだけです。他の絵はどれも,アンナのかさとどこかで異なっているので,アンナのかさではありません。
- どのパターンも,アンナのかさには1ヶ所にして使われてません。したがって,それぞれの画像とアンナのを次のように比較できます:
- 実際のコンピュータでは
- このビーバーチャレンジの問題では,解答の選択肢にかさのパターンについて,部分的な情報だけが与えられています。それでも,どの絵がビバ子のかさなのかを判断することはできます: 4つの絵のパターンの並びを見て,1つだけがビバ子の傘にも現れることが分かります。
- テキスト文書を検索する場合にも,「かさの絵のパターンの検索」と同じ原理が適用されています。コンピュータは,与えられた部分的な情報(文字の「検索文字列」)を使って、文書中の一致する文字列を検索すます。検索文字列が長ければ長いほど,一致する文字列は少なくなり,文書中の探している箇所を見つける確率が高くなることが分かります。検索文字列が短ければ短いほど,検索精度は落ちますが,検索速度は速くなります。情報学では,できるだけ早く最適な結果を得るため,検索手順(検索アルゴリズム)が設計されてきました(現在も改良が続けられています)。これらのアルゴリズムは,みなさんが使っているインターネット検索ツールのように,大量のデータを検索することができます。
- この問題は,パターン認識の入門的な例題になっています。パターン認識とは,データ集合における規則性・繰り返し・類似性を認識することです。ビバ子の傘を見つけるには,パターンがどのように並んでいるかを素早く見分ける必要があります。
2023-ある日の動物園-解説
- 考案国:オーストリア
- 正解
- 5
- 説明
- この問題を解決する方法の一つは,重ならないショーの可能な組み合わせをすべて試すことです。重ならないショーの組み合わせは,実際に見ることが可能なスケジュールです。その後,見ることができるショーが最も多いスケジュール(最適なスケジュール)を確認します。この方法は,全探索やしらみつぶし探索などと呼ばれます。
- 解決すべき問題によっては,全探索では確認しないとならない組み合わせが多くなり,現実的な時間で解が得られないことがあります。
- 問題をよく観察することで,問題を簡単にする緒(いとぐち)を見出すことができます。もし2つのショーの時間が重なっている場合,最適なスケジュールに含まれるのはどちらか1つのショーだけです。これら2つのショーのうち,1つのショーの時間がもう1つのショーの時間に完全に他に含まれている場合は,短い時間のショーを選ぶべきです。
- 例えば,鳥のショー の時間は魚のショー の時間に含まれています。
魚のショー を選ぶのなら, 鳥のショー を選んだ方が,これら2つ以外のショーと重なる可能性が小さくなります。
よって,鳥のショー は考察から外すことができます。 - 同じ理由で,次のことが言えます。
- ヘビのショー はカンガルーのショー の間に行われるので, カンガルーのショー を考察から外すことができます。
- クマのショー は象のショー の間に行われるので, 象のショー を考察から外すことができます。
- これら3つのショーを取り除くと,残ったショーは次の図のようになります:
- これらのショーを時間が重ならならない3つのグループに分けて, A, B, C を名前をつけることにします。すると,それぞれのグループで最適なスケジュールを求めることで,1日全体の最適なスケジュールを求めることができます。
- グループ A には,鳥のショー だけが含まれています。そこで最適なスケジュールに鳥のショー を入れます。
- グループ B には3つのショーが含まれています。
グループ B を全探索すると実現可能なスケジュールは2つです。
グループ B から最適なスケジュールに入れるのはクモのショー とヘビのショー です。 - グループ C にも3つのショーが含まれています。同じように全探索することで,グループ C からはアザラシのショーtとコアラのショーを最適なスケジュールに入ることが分かります。
- これらをまとめると1日全体の最適なスケジュールは次の図のようになります:
このスケジュールには5つのショーが含まれているので,正解は 5 です。
- 実際のコンピュータでは
- 情報学において,問題を解決するアルゴリズムを設計する際,最も簡単に思いつくアルゴリズムは,全探索・しらみつぶし探索です。この探索法は,概念が単純でかつ正しい答えを保証します。しかし,全探索は手作業やコンピュータで行うにも時間がかかりすぎることです。もっと高速に問題を解決するためのより効率的なアルゴリズムを見つける必要があります。
- アルゴリズムをより効率化するには,問題を良く観察して,問題を解決するのに必要な項目だけを抜き出すことが重要となります。このことを,簡略化や抽象化と呼ぶことにします。解の値を最大化または最小化する問題は最適化問題と呼ばれます。最適化問題を簡略化する際に,最適な解を得るための情報は残す必要があります。この問題では,魚のショー、コアラのショー、象のショーなどを無視できました。なぜなら,これらのショーを含むスケジュールは,別のショーを選ぶことで,見られるショーの数が同じかより多いスケジュールを構成できるからです。
- アルゴリズムをより効率化するもう一つの戦略は,問題を独立した部分,つまり部分問題に分解することです。コンピュータは異なる入力に対して同じ処理を繰り返し行うのが得意なので,独立した部分問題に適用できるアルゴリズムを見つけることは実現的な戦略です。
- 問題の解法の説明でも,問題を独立して解決できるより小さな部分に分解しています。
- 一般的に,特定の期間における複数のショーから見ることができる最大数を選ぶ処理は,活動選択問題yaインターバルスケジューリング問題と呼ばれます。大規模な工場でのプロセス管理や単一のコンピュータでの多くのプログラムの実行において,数千または数百万の活動を含む活動選択問題が生じるかもしれません。情報学では,総当たり探索を使わずにこれらの問題を解決するさらに高度なアルゴリズムが開発されています。
- この問題では,最大の解を見つけるための戦略を開発する必要があります。ショーの開催時間の重複を分析し,最適な解に含めるべきショーと考慮しなくても良いショーの見分かることで実現できます。
2023-写真-解説
- 考案国:リトアニア
- 正解
- 説明
- 写真に写っている丸太がどのように見えるのか判定するには,丸太同士がどのようにとなり合っているかに注目します。先がとがった丸太とまだらもようの丸太ととなり合っていないので,これら2本がとなり合っている2つの写真は正解ではありません。
- また,ビーバーが写真をとるとき、先がとがった丸太の右側に葉がない茶色の丸太があるのがわかります。こうなっている写真は正解だけです。
- 写真に写っている丸太がどのように見えるのか判定するには,丸太同士がどのようにとなり合っているかに注目します。先がとがった丸太とまだらもようの丸太ととなり合っていないので,これら2本がとなり合っている2つの写真は正解ではありません。
- 実際のコンピュータでは
- このビーバーチャレンジの問題では,写真内の特定の位置ではなく,丸太の順序を調べることがあなたの課題でした。これを行うため,丸太の間を結ぶリンク(結びつき)を考えました:各丸太は,右側と左側の丸太にリンクされていると言えます。
- コンピュータでは,データを同様の方法で保存することが役立つことがあります。各データ項目(数字や文字など)は,二つの隣接する項目へのリンクを持ちます。情報学では,このような構造を「双方向連結リスト」と呼びます。これは非常に柔軟性があり,いくらでもデータを保持することができ,データの追加や削除も用意に行えます。
- この問題には,抽象的な能力が必要です。関連する情報(丸太の円形の配置)を特定し,空間的な推理(オブジェクトの表現を変換するとき、それらの関係が保持される)を行うことが求められます。
- C
2023-ニンジンの種まき-解説
- 考案国:スロバキア
- 正解
- 説明
- ウサギは,与えられた動作順にジャンプするには,左から3番目の丘からスタートしなければなりません。一度右にジャンプし,その後3回左にジャンプする必要がありますが,左から3番目の丘以外の場所からスタートすると,端から外れてしまうからです。
- 最初の2つの動作
の後には,うさぎは一番右の丘に種をまくことになります。
- それに続く2つの動作
後には,うさぎは右から二番目の丘に種をまきます。
- 続く3つの動作
で,一番左の丘に種をまきます。 - したがって答えは次のようになります
- ウサギは,与えられた動作順にジャンプするには,左から3番目の丘からスタートしなければなりません。一度右にジャンプし,その後3回左にジャンプする必要がありますが,左から3番目の丘以外の場所からスタートすると,端から外れてしまうからです。
- 実際のコンピュータでは
- これはアルゴリズム的思考を問う問題です。コンピュータは,ロボットのウサギを制御するのと同様の方法でプログラムされています。この問題では,ロボットの動作(コマンド)は(絵の描かれた)ブロックを使用して指定されます。動作(コマンド)の意味とその順序を理解して,プログラムの実行結果を考える必要があります。
- ロボットのウサギの初期位置を見つけるためには,与えられた命令の順序をたどりながら,与えられた条件(ウサギがたねを丘に置く)をよく観察する必要があります。プログラムトレース(実行の観察)はプログラミングの重要な活動です。プログラムのバグを探すだけでなく,うまく動作するプログラムをつくるためにも使用されます。
2023-新生物リッカ-解説
- 考案国:カナダ
- 正解
- ちょうど2本のうでを持つリッカは,必ずちょうど2本の足がついています。
- 説明
- 答えは「ちょうど2本のうでを持つリッカは,必ずちょうど2本の足がついています。」です。
- 「リッカが2本のうでを持っている場合,2本の足がついている」というのはまちがっています。6枚目の写真には,2本のうでと4本の足を持つリッカが写っています。
- 「リッカは必ず歯を持っています。」というメモは正しいかもしれません。6枚の写真に写っているリッカは全部歯がついています。
- 「羽を持っているリッカもいれば,羽を持っていないリッカもいます。」というメモは正しいです。2枚目の写真には羽を持つリッカが写っています。
- 「リッカは「つの」か「三つ目」のどちらかを持っていますが,「つの」と「三つ目」の両方を持ってるリッカはいません。」というメモは正しいかもしれません。1枚目,2枚目,5枚目,6枚目の写真には,角を持ち「2つだけ」目を持つリッカが写っています。残りの写真(3枚目と4枚目)には,角のない3つ目のリッカが写っています。
- 実際のコンピュータでは
- ビーバーはかせは,特徴を探すことでリッカをみつける方法を研究しています。コンピュータも「比較」と呼ばれるプロセスで特徴を見つけることができます。現在では、機械学習と呼ばれる方法で,たくさんのデータを自動的に,短時間で比較することができます。ビーバーはかせと同じように,コンピュータが間違った結論を出すこともあります。よりたくさんのデータ,コンピュータに学習させることで,コンピューター間違いを修正しすることができます。
- データの中で繰り返し現れるパターンや規則性を見つけ出すことは,情報科学ではパターン認識と呼ばれています。パターン認識は,機械学習や人工知能で使われており,コンピュータがデータから学習,予測や決定をすることを可能にします。たとえば,画像認識では,パターン認識技術は画像内の物体をみつけ,分類するのに使われています。言葉の処理では,パターン認識によってコンピュータは文の構造を理解し,内容を推測,人間が書いたようなテキストを生成することもできます。
2023-ビーバーの散歩-解説
- 考案国:日本
- 正解
- 説明
- ビ太郎は以下の場所で写真を撮りました。
- 最初の写真撮影スポットでビ太郎の北向きだったので,最初の写真では右側に家があるはずです。
- 2番目の写真撮影スポットではビ太郎は南向きだったので,2番目の写真では左側に家があり,右側には木があるはずです。
- 3番目の写真撮影スポットではビ太郎は西向きだったので,写真の風景は右側に木があるはずです。
- したがって,正解は です。
- ビ太郎は以下の場所で写真を撮りました。
- 実際のコンピュータでは
- タートルプログラミングやタイルベースのプログラミングなどのロボットプログラミングは,子ども向けの初歩的なプログラミングの教材として使われています。
- ロボットの状態を理解し,ロボットの視点を想像することは,基本的なロボットプログラミングにとって不可欠です。
- この問題は,学習者がロボットの視点からの右と左の区別を含め,ロボットの方向を正確に管理することを学べるように意図されています。