CadetAnswer2020
カデット問題解説(中学1年生・2年生)
- A
2020-博物館ツアー-解説
- 考案国:スイス
- 正解
- デザインCは「一方通行ツアー」です
- 説明
- デザインAには出入口が1つしかない部屋1があるため、その部屋に入ってから出たときに、1度入ったことのある部屋に戻ってしまいます。
- デザインBでは、部屋5に入ると部屋6に出る必要があり、部屋7に入るときも部屋6に出る必要があるため、部屋6を2回通ってしまいます。
- デザインCはすべての部屋を1回ずつ通って出口に行くことができます。
- 実際のコンピュータでは
- 部屋を円で、部屋の間の通路を線で表すと、部屋の配置を下のようなグラフ構造で表現できます。グラフ構造を使うと、いろいろな関係や構造をわかりやすく表現することができ、コンピュータを用いて問題を解くことができるようになります。
- 部屋を円で、部屋の間の通路を線で表すと、部屋の配置を下のようなグラフ構造で表現できます。グラフ構造を使うと、いろいろな関係や構造をわかりやすく表現することができ、コンピュータを用いて問題を解くことができるようになります。
2020-交換(こうかん)-解説
- 考案国:スイス
- 正解
- DGE
- 説明
- にんじんから考えはじめると、5種類のものに交換できるため、いろいろな可能性を考える必要があり大変です。
- 逆にモミの木から考えてみると、モミの木に交換できるのは指輪だけなので、可能性を少なくすることができます。
- 指輪を手に入れるにはアイスクリームが必要です。アイスクリームを手に入れるにはニンジンか指輪が必要です。そして、ビーバーはニンジンを持っているので、答えはDGEであることがわかります。
- 実際のコンピュータでは
- 物を円で、交換を矢印で表すことで、物と物の交換を下の図のように「グラフ構造」で表現できます。問題では選択肢を見て、「にんじん」から「モミの木」に行けるかどうかを調べましょう。
- グラフ構造で解を見つけるときは、「矢印をたどっていき、うまく行かない場合は戻って別の道を試す」やり方(深さ優先探索)などが使われます。
2020-ひみつのメッセージ-解説
- 考案国:スイス
- 正解
- INFORMATICS IS COOL
- 説明
- 表の中の1行目を見ると、「CDEFG」が書かれていますので、「これはアルファベットの表ではないか」と考えてみることができます。
A B C D E F G H I J K L M N O P Q R S T U V W X Y - また、この表を見ながら秘密のメッセージを見ると、1文字目は「I」で、11文字目は「S」、終わりから2文字目と3文字目は「OO」であることがわかります。選択肢を見ると、この条件に当てはまるのは「INFORMATICS IS COOL」であることがわかります。
- 表の中の1行目を見ると、「CDEFG」が書かれていますので、「これはアルファベットの表ではないか」と考えてみることができます。
- 実際のコンピュータでは
- この問題では縦に4種類、横に7種類の絵を割り当てて、それらを組み合わせて文字を表します。表せる文字は「4x7=28」で28通りです。アルファベットの大文字は26文字ありますので、28通りで表すことができました。
- コンピュータもメールやチャットで文字を送るときは、文字を数値で伝えています。文字を表した数値は文字コードと呼ばれます。
- この問題のように文字を別の記号で伝えたり、(Aを1、Bを2のように考えて)「15 11」で「OK」の意味を伝えるようにすると、友だち同士の簡単な暗号として使えるかもしれません。
2020-まほうの薬-解説
- 考案国:パキスタン
- 正解
- 3
- 説明
- 3を左から混ぜて行くと、最初に紫色と黄色の薬を混ぜて黄色になり、次に黄色と黄色を混ぜて紫色になり、最後に紫色と黄色を混ぜて黄色になります。ほかの色で考えると、すべて最後に紫色の薬ができてしまいます。
- 実際のコンピュータでは
- コンピュータのプログラムでは、「スイッチは押されているか?」といった2通りの値を扱う論理値はよく使われます。
- 「雨が降っている?」「傘を持っている?」のような2つの論理値について、「両方がYes」かどうかを調べることを「論理積(AND)」と呼び、「両方またはどちらかがYes」かどうかを調べることを「論理和(OR)」と呼びます。
- この問題では、「どちらか片方だけがYes」かどうかを調べる「排他的論理和(XOR)」を使いました。排他的論理和は、計算を早く行ったり、暗号を解いたりするために広く使われています。
- B
2020-カンガルーのジャンプ-解説
- 考案国:リトアニア
- 正解
- 14
- 説明
- この図の道が最短になります。スタートから考えていくと、いろいろな道に進めるため複雑ですね。この問題では、ゴールから考えていくと、進める道がひとつに決まるため考えやすくなります。
- この図の道が最短になります。スタートから考えていくと、いろいろな道に進めるため複雑ですね。この問題では、ゴールから考えていくと、進める道がひとつに決まるため考えやすくなります。
- 実際のコンピュータでは
- この問題では、スタートから始めて、「進める道を歩いてみて、行き止まりになったり遠回りになれば戻って別の道に進む」ことを行います。あらかじめ最短の道はわからないので、進みながら調べていく必要があるのです。
- この問題では、ゴールから逆に探したほうが効率よく見つけられますが、これもスタートからとゴールからの両方を試してみないとわかりません。このような最短の道を見つける処理は経路探索処理と呼ばれ、車のカーナビや鉄道の路線検索アプリなどで利用されています。
2020-食料品店-解説
- 考案国:オーストリア
- 正解
- 図は左右が反対でも構いません。
- 図は左右が反対でも構いません。
- 説明
- 食料品店が営業できる場所は11箇所あります。すべての場所についていちどに考えるのは大変ですね。
- そこで最初に、「ここにお店がないといけない」という必須の場所から考えていきましょう。すると、いちばん左と右にある村は、隣に食料品店が必要です。
- そこに食料品店を置くと、次はいちばん下の2つの村に食料品店が必要です。このようにひとつずつ決めていくと、食料品店を営業すればよい場所がわかります。
- 実際のコンピュータでは
- 全国の地域にどのように食料品店やコンビニ、学校などを配置すればよいかは重要な問題です。人が地図を見ながら検討するだけでなく、コンピュータを使い、この問題と同様に最適な配置を検討するアルゴリズムが使われています。
2020-ジグソーパズル-解説
- 考案国:中国
- 正解
- 13
- 説明
- 下の図のようになります。まず、大きな部品で形を考えてみましょう。
- 次に、その部品を小さな部品で置き換えたときに、さらに少ないコインで作れるかを考えるとよいでしょう。
- 実際のコンピュータでは
- 同じことを、2通り以上のやり方でできることがあります。結果は同じでも、かかる時間や費用が違うかもしれません。
- 今回の問題では、正方形を1個使うときと、長方形を2個使うときで、どちらが安い費用で作れるかを考える必要がありました。
- たとえば車のカーナビに内蔵されたコンピュータは、「距離はこちらの道のほうが近いが、渋滞を考えると別の道のほうが早く着く」といった計算をしながら最適な道を選ぶようにしています。
2020-丸太の分類-解説
- 考案国:パキスタン
- 正解
- C
- 説明
- ビーバーが丸太を分けるときのルールを見ながら、矢印をたどって行きます。
- 最初にいちばん上のビーバーが年輪を見て、2本なので左に送ります。
- 次のビーバーは樹皮の線を見て、3本あるので右に送ります。
- 最後に下のビーバーが木の節を見て、1個あるのでCに送ります。
- 実際のコンピュータでは
- ビーバーたちは、いちばん上のビーバーから始めて、条件によって左と右の道を選んで判断を進めます。
- この問題のように、判断の決定を繰り返すことで、最後の結論を決定する構造を「決定木」と呼んでいます。決定木を作っておくと、いくつかの判断によって手順通りに結論を決められるため、決定を効率的に行なえます。
- C
2020-カギの番号-解説
- 考案国:キプロス
- 正解
- 496
- 説明
- 箱に書かれた文字を見ていくと、いちばん右にBが書かれた箱が4個あることがわかります。鍵の数字を見ると、いちばん右の数が6の鍵は3個ありますので、「Bは6」であることと、「番号のない鍵のいちばん右は6」であることがわかります。
- 次に、「BEB」という箱を見ると、左と右が両方とも6の鍵は「636」がありますので、「Eは3」であることがわかります。
- 次に、いちばん右がBでない「AER」の箱を考えると、いちばん右が6でない鍵は「934」がありますので、「Aは9」であることと、「Rは4」であることがわかります。
- すると、「396の鍵はEAB」であることと、「346の鍵はERB」であることがわかりますね。
- そうすると、残りの箱は「RAB」ですので、番号のない鍵は496であることがわかります。
- 実際のコンピュータでは
- この問題では、アルファベットの文字を数字で表す「換字式暗号」を扱いました。鍵の数字だけを見ても誰の鍵かがわかりませんので、安全に鍵を管理することができます。
- ただし、秘密にしている「どの数字がどの文字を表すか」という一覧表が知られてしまうと誰でも解読できてしまうため、あまり安全な暗号ではありません。
- 現在ではコンピュータや通信するデータの安全を守るために、もっと複雑で安全な暗号が使われています。
2020-ハイウェイ-解説
- 考案国:スロバキア
- 正解
- 説明
- Dから行くことのできる町を考えると、DからはA、B、C、Dのすべての町に高速道路がつながっています。D以外の町の間を結ぶ道路は、BとCの町を結ぶ高速道路だけです。この条件を満たす図を探しましょう。
- 実際のコンピュータでは
- この問題では、高速道路の地図を「グラフ構造」で表しています。町と道路を「点と線」のようなシンプルな形で表すことで、問題をコンピュータを用いて解きやすくすることができるようになります。
2020-タイル並べ-解説
- 考案国:日本
- 正解
- 説明
- ビ太郎は、最後に置いた2個のタイルの数を使って、次に置くタイルを決めています。順番に考えていきましょう。計算した数が7を超えたときは結果を-2にすることに注意しましょう。
1+2=3
2+3=5
3+5=8→-2
5+ -2=3
-2+3=1
3+1=4
- ビ太郎は、最後に置いた2個のタイルの数を使って、次に置くタイルを決めています。順番に考えていきましょう。計算した数が7を超えたときは結果を-2にすることに注意しましょう。
- 実際のコンピュータでは
- この問題では、次のタイルの値を決めるために、前の2個のタイルの値を使って計算しています。そして、次のタイルの値は、その次のタイルの計算に使われます。このように計算していくと、「7より大きければ-2にする」の規則がなければ、値は急速に大きくなっていきます。
- この計算による値の並びはフィボナッチ数列と呼ばれ、木の枝の成長や、パイナップルや松ぼっくりの形など、自然界のさまざまな現象を分析するために使われています。
2020-ニュース拡散-解説
- 考案国:マケドニア
- 正解
- B
- 説明
- 周辺にいるIから伝え始めると、Lに伝わるまでに4回も伝える必要があります。JやBのように真ん中にいるビーバーのほうが伝えやすいかもしれません。Jだと、Iまで3回必要ですが、Bだと、すべてのビーバーに2回で伝えられることがわかります。
- 実際のコンピュータでは
- この問題では、ビーバーの部屋とそれらを結ぶロープを、「グラフ構造」の「点と線」で表しています。そして、すべての点に最短距離で行けるグラフの中心を求めています。このようなグラフの中心を求めることで、救急車や消防車がすべての家に短い時間で行けることを確認することができるため、病院や消防署を作る場所の計算などに使われています。