BenjaminAnswer2017

ベンジャミン問題解説(小学5年生・6年生)

  • A

    2017-家に帰ろう-解説

    • 考案国:パキスタン
    • 正解
      • 「18」
    • 説明
      • 他のマスに移るときは「進め」の1個の命令が必要です。向きを変えるときは「左」か「右」と「進め」の2個の命令が必要です。道は12個のマス目と6回の曲がり角がありますので、パトロールをして最初の場所に戻るには18個の命令が必要です。
        「進め」を「進」の一文字で表すと、問題の図の位置からスタートする場合は次のような命令の並びになります。
        進右進進進右進進右進左進右進進右進進
        他の場所からスタートする場合はこの並びをずらす必要があります。
      • 実際のコンピュータでは
        警察ロボットはプログラムによって動くシステムです。理解できる命令は3種類で一本道しか歩けません。この問題は3種類の命令だけでパトロールをさせることができました。
        情報科学では、プログラムによって動くシステムを、できるだけ少ない命令を使って目的の作業を行えるように設計します。命令の数はそのままで、より複雑な作業を行うこともできます。

    2017-壁紙-解説

    • 考案国:アメリカ
    • 正解
      • 画像の説明
    • 説明
      • 正解は、上の絵になります。カバン柄の黄色い壁紙は他の壁紙に切り取られていないため、いちばん最後に貼られたことがわかります。問題の絵を見ると、カバンはバスケットボールを、バスケットボールは木の葉を、木の葉は花を、花は鏡を、鏡はハートを切り取っていることがわかります。
      • 実際のコンピュータでは
        同じ長方形の壁紙を使っても、貼る順序が違えばまったく異なる絵ができあがります。コンピュータ科学では、順序はとても重要です。私たちが物事を行う順序やコンピュータに命令を伝える順序は、結果に大きな影響を与えます。
        この問題は、画像を複数の層で扱う「レイヤー」の例にもなっています。

    2017-降水量の分布-解説

    • 考案国:ハンガリー
    • 正解
      • 「12月」
    • 説明
      • 12月が正解です。いちばん雨が降る月は2月と11月です。ダムはこれらの月の1,2ヶ月前に作る必要があります。それは12月、1月、9月、10月のどれかです。この中でいちばん雨が少ない月は12月ということがわかります。
      • 実際のコンピュータでは
        情報科学の専門家は最大値や最適値を求めるデータ分析をよく行います。その際、この問題のように条件を順序よく当てはめて考えることがあります。
        ダイアグラム棒グラフなどの説明も参考にしてください。
  • B

    2017-5本の枝-解説

    • 考案国:スロバキア
    • 正解
      • 画像の説明
    • 説明
      • 枝に番号をつけて考えてみましょう。
        画像の説明
        横向きに置かれた枝は、左右の端に他の枝をつなげることができます。
        縦向きに置かれた枝は、上下の端に他の枝をつなげることができます。

    画像の説明 は、5の枝の右端から1の枝を縦に置くと作ることができます。

    画像の説明 は、4と2の枝の間に5の枝を縦に置くと作ることができます。

    画像の説明 は、2の枝の横に1の枝を横向きに置くと作ることができます。

    画像の説明 は、作ることができません。

    • 実際のコンピュータでは
      枝を使ってどんな形が作られるかを考えるときには、ひとつひとつの単純な操作(この問題では、枝を別の場所に移動すること)を理解して、結果を想像する必要があります。正しい答えを得るためには、それらの操作は正確でなければなりません。コンピュータのプログラムを作成したりテストするときも、同じように命令を正確に書いて結果を想像する必要があります。

    2017-繰り返しのある音楽-解説

    • 考案国:スウェーデン
    • 正解
      • 「B A B A B B A A A C A C A」
    • 説明
      • 繰り返しの部分を分けて書くと、次のように書くことができます。
        B + A B A B + B + A A + A C A C + A
        他の選択肢はどこかが違っています。
      • 実際のコンピュータでは
        この問題の繰り返し記号はプログラムのループを表しています。ループは繰り返しや反復とも呼ばれます。多くのプログラミング言語には命令の並びを一定回数だけ繰り返す構文があります。また、一定回数ではなく、条件を満たす間、または条件を満たすまで繰り返しを行う形のループも使われています。

    2017-カード暗号-解説

    • 考案国:チェコ
    • 正解
      • 「11010」
    • 説明
      • この絵は「11010」が「16 + 8 + 2 」で 26個のハートを表すことを示しています。
        画像の説明
        これはただひとつの正解です。右の4枚のカードではすべてを表にしても「8+4+2+1」で15しか作れないため、いちばん左のカードを使う必要があります。いちばん左を表にすると、26のうち16を表しましたので、「26-16」の10を残る4枚で作る必要があります。右の3枚を表にしても「4+2+1」で7しか作れませんので、8を表にする必要があります。このようにして、「10-8」の2を残りの3枚で作っていきます。
      • 実際のコンピュータでは
        カードに描かれたハートの数は、右端は1個で、左の数は右の数の2倍になっています。そこで、右から左に見ていくと、1,2,4,8,16という並びになります。これらの5枚を使うと、0から31のすべての数を表すことができます。
        このハートのような数の並びは2進表現と呼ばれ、それぞれの桁の表と裏(1と0)でコンピュータの情報を表現します。文字、画像、動画、音楽などもこのような数で表現されています。

    2017-壁を壊せ-解説

    • 考案国:スロバキア
    • 正解
      • 画像の説明
    • 説明
      • 左下の角(かど)から右上の角まで移動できるようにするのに壊す壁(かべ)の最小値は 3 です。
        下の図で赤で囲まれた3つの壁を壊せば、左下のかどから右上の角まで移動できるようになります。
        緑の線は、左下の角から右上の角まで移動する道順です。
        画像の説明
        この問題を必ず解ける手順の一つは、左下の角から順に「その場所に左下の角から到達するのに壊さないとならない壁の最小値」を記録していくことです。
        まず、左下の角からスタートして、一番左の列の下から順に移動していきます。
        左下の角はスタート地点なので、'0' を記録します。
        続いて、同じ列で隣の場所に移動していきます。
        その際に壁を壊すと記録する値を1増やします。
        壁を壊さない場合は同じ値を記録します。
        画像の説明
        次に、右隣の列に移動します。また、一番下の場所から始めます。
        ただ、今度は、下の場所から移動するだけでなく左の場所から移動できるので、下から移動してくる場合と左から移動してくる場合の小さい方の値を記録します。
        壁なら1を加えた値を、そうでなければ同じ値を記録するのは同じです。
        画像の説明
        注意しないとならないのは、反対の方向(上から下や、右から左)から来た方が小さな値を記録できる場合があることです。
        値を記録したときに、下の場所や左の場所の値をみて、今いる場所から行った方が値が小さくできるときは、書き換えないとなりません。
        書き換えた場所の下や左にも影響が及ぶ場合は、書き換えを繰り返さないとなりません。
        次の図で、書き換えられた場所を黄色で強調しています。
        画像の説明
        すべての場所に値が記録されると
        最終的に、どの場所にも、左下の角からその場所まで移動できるようにするのに壊さないとならない壁の最小値が記録されています。
        (右上の角の左隣の場所は、最終的には 4 に書き換えられます。)
        右上の角に記録された値は 3 なので、
        左下の角から右上の角まで移動できるようにするのに壊さないとならない壁の最小値は 3 となります。
      • 実際のコンピュータでは
        迷路の脱出経路探索は、情報科学でよく扱われる問題の一つです。
        この問題は、壊さないとならない壁をなるべく小さくするという制約が加えられています。
        この問題は、左下のかどからその場所までに移動できるようにするのに壊さないとならない壁の最小値を記録しながら、適した方法で探査していくことで解くことができます。
        例えば、まず壁を壊さないで行ける場所すべてに 0 を記録し、次に壁を1つ壊せば行ける場所すべてに 1 を記録し、さらに壁を2つ壊せば行ける場所すべてに 2 を記録するということを繰返します。
  • C

    2017-ビーバートーナメント-解説

    • 考案国:クロアチア
    • 正解

      画像の説明

    • 説明
      • いちばん下の最初の対戦で、勝った人の番号は混ざってしまったカードの中にあるはずです。
        負けた人は、トーナメントの上位には現れません。なので、ゲームの結果を戻すには、最初のゲームの2人ずつのうち、どちらが残りのカードの中にあるかを調べればよいでしょう。
      • 実際のコンピュータでは
        注意深い観察と必要な条件を守ることは、適切な論理的な問題解決と異なるアルゴリズムの解法を構築するための基礎となります。条件が成り立つことを確認すること(ブランチ構造)に加えて、反復(繰り返し構造またはループ)は、一般的にコンピュータによる解法を設計する時に使われています。

    2017-パン-解説

    • 考案国:日本
    • 正解
      • 「フランスパンと食パン」
    • 説明
      • 正解は「フランスパンと食パン」です。
        • 4つの条件に a 〜 d の番号をつけます。
        1. アリスとボブは同じ種類のパンを持っていません。
        2. チャーリーはフランスパンを持っています。
        3. ドローシーはメロンパンを持っていますが,アリスはメロンパンを持っていません。
        4. ボブはクロワッサンを持っています。
        • これらの条件から分かることを、下のような表にまとめます。
          アリスボブチャーリードローシー
          フランスパンYes ( b )
          メロンパンNo ( c )Yes ( c )
          クロワッサンNo ( a / d )Yes ( d )
          食パン
        • アリスは、メロンパンもクロワッサンも持っていないことが分かったので、アリスが持っているのは「フランスパンと食パン」と分かります。
      • 実際のコンピュータでは
        数理論理学は数学的な証明を研究する学問で、ブール代数はその一部です。これは演繹論に基づいていて、真か偽という2種類の値を扱います。上の真理表はビーバーとパンの関係を表しています。

    2017-盾と矛-解説

    • 考案国:日本
    • 正解
      • 画像の説明
    • 説明
      • 実際のコンピュータでは
        この問題は一見簡単そうに見えますが、実際にはとても複雑なパズルです。数枚の絵であっても、並べ方の組み合わせがあっという間に増えてしまいます。たとえば6枚の絵に1枚を加えて7枚にすると、6枚のときより6倍も組み合わせが増えてしまいます。式で書くとn枚のときは「(n-1)!」になり、7枚のときは「1×2×3×4×5×6」で720通りになってしまいます。(そして、ほとんどの組み合わせは不正解です)
        バックトラックというアルゴリズムを使うとすべての組み合わせを調べることができますが、調べるための作業量が膨大になってしまいます。そこで、組み合わせを減らすように論理的に考えます。たとえば、剣を下に向けているビーバーは上の段にいるはずですし、盾の上にいるビーバーは1人だけです。

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